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文章量:約1700字

ヘルシープログラマーへの道

 

いのちの食べかた

いきなり重たい内容を書きますが、森達也さんの『いのちの食べかた』という本をまず読むことをお勧めします。

普段、特に何も意識せずに食べ物をお口の中にポイポイ放り込んでいると思いますが、食べ物がどういういきさつで、今、目の前にあるのかを意識すれば、暴飲暴食や偏食など、少しは食に関して慎重に行動をとれるようになるんじゃないかな、と思います。

栄養学から離れる

こういったブログでは、ある特定の栄養素を取り上げて、その効果がすばらしい!といった内容や、とある食材を取り上げて、その食材の栄養効果がすばらしい!ということが多々あります。

今読んでいるみなさんも、「◯◯◯がダイエットに効果的と判明!!」みたいな記事をSNSでよくシェアをしているんじゃないかな、と推測します。

しかし、自分はある特定の食材や栄養素にこだわる必要はないと考えています。

狙った栄養素を体にとり込んだとしても、それが体内に吸収されずに、そのまま排出されることだってありますし、狙った栄養素を摂取しなくても、体内にいる細菌が食物を分解して、体に必要な栄養を生成してくれることもあるからです。 カロリー摂取量がどうのこうのとか、ビタミンCの含有量がどうのこうのという話はいったん横に置いといてください。

細かい栄養素に分けなくても、我々が食しているものは大雑把に分類すれば3種類だけです。

その3種類とは、「燃料」「触媒」「毒」です。

それぞれ簡単に解説します。

1.燃料

種のことです。米、大豆、ごま、小麦、トウモロコシなどなど、食事において「主食」となる食材です。

命の源である種にはたくさんのエネルギーが秘められています。クルマでいうところのガソリンです。これは何を食べるか?よりは、どれだけ食べるか?です。

少なすぎると、体を動かせないですし、多すぎると体に溜まる、というやつですね。

2.触媒

発酵食品のことです。体に摂り入れた燃料はエネルギーに変換してあげないとダメです。そのために必要なのが触媒です。

植物にたとえると、太陽光が燃料で葉緑体が触媒です。太陽光(燃料)を光合成(触媒を介して)して栄養(エネルギー)を作ります。発酵食品は要するにモノが腐ったものですが、腐るということは分解されることと同義です。

「腐る」と聞くと悪いイメージを想起しがちですが、生命の活動サイクルにおいてはとても大事なことなのです。

体の細胞は日々破壊と再生のサイクルを繰り返していますが、そもそも分解して破壊されなければ新しい細胞を生成できないのです。

「腐る」ということについてもっと詳細に書きたいところですが、とても長くなるのでここでは割愛します。

3.毒

これは、いわゆる「栄養素」というやつです。体に何かしらの作用をうながします。この作用により、体の機能調整を行います。

夏野菜は体を冷やし、冬野菜は体を温める効果があるのは、食物が持つ効果によって体に働きかけているからです。

ある特定の栄養素をピンポイントに抽出合成したのが「薬」ですが、これは、ある特定の効果を狙って体に働きかけることにより、体の機能バランスを整えよう、という考えです。

効果をうながすという意味では「薬」は「毒」と同義です。要するに体調管理とは、これのバランスを取ることです。

で、何を食べたらいいの?

人間がここまで繁栄したのは、よく採れる食べ物が我々を活かすのに必要な食べ物だったからです。

たとえば、人間が生きるのに必要な栄養素が松茸にしか含まれていなかったら、ごく少数の人間しか生き残れません。

「毒」の項目で少し書いたように、ある季節で採れる野菜は、その季節に適応するために体のバランスをうまく整えてくれる作用があります。

春に採れる植物の芽は冬に溜まった老廃物を分解してくれる効果があるといいます。そのようなことから、季節ごとに旬のものを、季節ごとによく採れるものを食すのが自然にもかなっていて良いと思います。

ということで、この記事の総括としては、ご飯(種)・みそ汁(触媒)・旬の食材を使ったおかず(毒)というスタンダードな日本食がベスト、という地味な結論に落ち着きます。


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