< 自然と化学物質 | 香港旅行記(前編) >
文章量:約400字

言葉の消費期限

例えば、「頑張る」と言ってみても、言ったその瞬間だけは本気でそう思ってるかもしれない。

でも翌日になったら、その頑張りについての結果を鑑みることはないし、翌日は頑張ると言ったことに対して全然頑張っていないかもしれない。

そして、それに対する認識がない。申し訳ないと悔い改める気もない。

ただ、こちらとしては「頑張る」という表明を聞いたので、なぜその人は頑張っていないんだろうかと不思議になる。

きっと、言った本人としては、言ったその瞬間にその言葉の消費期限が切れてしまうので違和感がないのだろう。

要するに言葉に対する時間軸の概念がないのである。

結婚する時に「永遠の愛」を誓っても、その瞬間だけ強くそう思っているだけで、今誓った言葉の意味の重さを反芻することもなく、本気で真剣に自分が死ぬまでそうしようという覚悟までは持っていない。

愛という概念に覚悟という概念が入るという認識すらないだろう。だから不調和が生じたらすぐに分かれてしまう。

人の発する言葉には消費期限があって、しかも、わりと消費期間が短いのだ。そして、人の言葉に「永遠」という消費期限はない。

Tag: 哲学