< ルーティーンとコンフォートゾーン | 錯覚の科学 >
文章量:約1600字

ブラック従業員

私はブラック企業というものは企業(社長や経営者)がブラックなのではなく、そこで働く従業員こそがブラックであると思っています。

経営者の意識ではなく労働者の意識が変わらない限りブラック企業は無くならないと思います。

テレビや記事で「なぜ、このサービスはこの安さで提供できるのか」みたいな内容をやっているとき、大体の答えは「人件費を抑えてその分をサービス価格に還元しているから」です。

会社を運営する上で一番コストがかかるのが人件費という固定費です。

単純労働として考えるなら、労働者の賃金を安くするほど、労働者の労働時間を長くするほど人件費というコストが下がっていきます。

ですので経営する側からすれば自然とそう仕向けるようなムーブになるのはしかたないと言えます。

賃金を払う側からすれば毎月決まった額を会社の状態に関係なく払い続けるのは大変なのです。

実際に経営はしたことないので自分は知らないけど。

労働者側が波風を立てない限り会社がブラック化していくのは必然的な流れなのです。

海外に目を向けると、ストライキにより飛行機が飛ばない時があったり、公共機関が仕事をしてくれない時があったり、増税による暴動でパリが火で包まれたりしています。

労働者側がなにかしら「行動」を起こさないと環境は改善されないのです。

ホワイトな環境というのは経営者の意識改革ではなく、労働者の具体的な行動奮起によって創造されるものなのです。

私は日本で五本の指に入れるレベルの絶対定時で帰るマンという自覚がありますが、よく周りの人から「どうやったら定時で帰れるんですか?」と聞かれます。

答えはとてもシンプルでいつも「定時になったらただ帰るだけです」と答えています。

で実際に私は定時になったら帰っているだけで何も特別なことはしていません。

逆になぜ他の人が定時になっても帰らないのか謎です。

嘘です。理由はわかります。仕事が終わらないからです。

じゃあ私が仕事を常に定時までに終わらせているかというとそんなこともないです。

仕事が残っていようが上司から止められようが周りのみんなが残業していようが「定時になれば帰る」のです。

先程海外の例をだしたように、自分に無理難題をふっかけられたと思えばストライキなり暴動なりのように具体的な行動を伴った意思表示をしなければなりません。

何もアクションを起こさずに流れに身を任せるだけでは自然と残業が常態化してしまうのです。

定時で帰る方法は「無条件に定時になれば帰る」しかないのです。

帰らないから帰れないのです。

「ブラックはダメ、絶対!」と口では言いながら、日頃の仕事では、夜の8時に会議を入れたり、夜の10時にチャットで仕事のタスクを振ったり、それに対しレスポンスをしたりしている人は多いんじゃないでしょうか。

そして、それに文句を言わず応える人を「仕事ができる人」として評価してないでしょうか。

残業する人を評価し、自分も定時で帰ろうとしない。

自分はそうやって生きておきながら、いざ問題が社会現象化したら「自分は会社にハラスメントを受けてました」というのはあまりにも身勝手すぎるのではないでしょうか。

多少の不条理は社会人として仕方ない、と思いながらほとんどの人は生きてるんじゃないでしょうか。

その妥協と惰性がブラック企業を生むのです。

社会人としての不条理に抗う力強さがないとホワイトな労働環境なんて生まれません。

自分が労働生産性の観点からスーツ着用を断固拒否した時も、定時に帰って翌日に「なんでみんな残業してるのに君はしないの?」と言われた時も、自分に賛同してくれる人なんて誰もいませんでしたし、自分と同じ行動をとる人も誰もいませんでした。

ほとんどの労働者はそんなもんなのですからブラック企業なんてなくならないのです。

経営者を規則で締めつけたところで経営者のなり手が減るだけで労働者に益はありません。

労働者のマインドが変わらない限り会社は黒くなるのです。

Tags: 仕事, 社会