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新型コロナウイルスとPCR

徳島大学の大橋眞教授の「新型コロナウイルスは存在しない」という主張を拝見して、そこから気になった疑問点をもとにいろいろ考えてみたので、それをメモ代わりにここに書いておきます。

あくまでただの憶測です。

この辺の動画です。 https://www.youtube.com/user/ias1ohashi/videos

遺伝子情報=病原体の特定じゃないの?

病原体の特定にはコッホの4原則という鉄則があります。

それは

  • ある一定の病気には一定の微生物が見出されること
  • その微生物を分離できること
  • 分離した微生物を感受性のある動物に感染させて同じ病気を起こせること
  • そしてその病巣部から同じ微生物が分離されること

で、新型コロナウイルスと呼ばれるものはまだこの条件を満たしていません。

要するに、ある特定のウイルスがある特定の病気を引き起こす、ということがまだ証明できていません。

では世界中で行われているPCR検査とは一体何をしているのか?

そもそもPCR検査は病原体を発見するものではありません。

PCR検査は特定の遺伝子配列のコピーを大量生成することで検索元の遺伝子配列がそこに存在するかを確認する装置です。

この遺伝子配列のマッチングを行っている、というのがミソです。

ウイルスそのものをマッチングしているわけではないのです。

wikiにも

任意の遺伝子領域やゲノム領域のコピー

と書いてあります。

ウイルスそのもののDNA(RNA)をマッチングしているのではなく中国論文にある遺伝子情報(病原体ではなく、GenbankというDNA配列をコレクションしているところにあるデータ)だけをPCRにかけているので、厳密に病原体を特定しているというわけではないようです。

みんなのイメージだと、新型コロナウイルスの全遺伝子配列が分かっていて、それが仮に”new_coronavirus”という文字列だとすると、その文字列を検索にかけて、文字列が見つかる=新型コロナウイルスに感染した、という認識だと思います。

しかし、実際のPCRは”*new_corona*”みたいに全体一致ではなく部分一致のワイルドカード検索になっています。

”new_coronavirus”も引っかかりますが、”hoge_new_corona”とか”new_coronafoo”みたいな別のウイルスも引っかかるし、そのどれが症状を引き起こす新型コロナウイルスと呼ばれる病原体かは分からないのです。

しかも中国論文自体の検証をしていないので、先ほどの例でいうと”new_corona”という遺伝子配列を持つウイルスがホントにある一定の病気を発症するかどうかも特定できていません。

コッホの4原則を満たしてないというのはそういうことのようです。

じゃあ、SARS-CoV-2ウイルスとは何者なの?

さきほどのGenbankに登録された遺伝子と一致する配列が存在するウイルスすべてをSARS-CoV-2ウイルスとしているようです。

コロナウイルス自体は大量の種類が存在し、悪性のものだけが研究対象とされており、日和見や善性についてはあまり研究が進んでいません。(日和見を研究してもあまり成果が出ないため)

Genbankに登録されているものもほとんど悪性のウイルスだけで日和見性のウイルスは登録されていないようです。

ということはまだまだ特定していない未知のコロナウイルスもたくさんいるということになります。

WHOが新型コロナウイルス感染症にCOVID-19という名称をつけました。

ウイルス自体にではなく、あくまで感染症という症状に対して、です。

これは何故かというと、病原体を特定できていないからです。

PCRによる遺伝子マッチングでは特定のある一種のウイルスという断定はできないので、そこで同定されたウイルス群が引き起こす症状、として定義したのです。

ウイルスを特定できていないから、ウイルスが引き起こす症状側の方をとりあえず定義したのです。

症状は存在するが、それがどの特定のウイルスが引き起こしたのかは分からない。

ウイルス側の方の定義はいまのところ科学的には存在しないのです。

よって科学的には「新型コロナウイルス」という特定のウイルスの存在の証明はできていないのです。

だから、未知のものに対して謙虚な姿勢である人たちは「新型コロナウイルス」という定義は使わず「COVID-19」か「新型コロナウイルス感染症」という症例にしか言及していないのです。

ちなみにPCRで再陽性が出る現象は初回でマッチングしたウイルスとは別のウイルスを検知している可能性も考えられます。

最後に今までの考えを踏まえて、PCR検査数を増やすほど重傷者や死者が増えるのではないかという仮説を思いついたのでメモとして残しておきます。

仮にPCR陽性者のほとんどが無症状(日和見コロナ)だった場合、PCR陽性者を集めれば集めるほど、一部の悪性コロナ感染者が無症状の人に感染させてしまい、悪性の感染率が高まる気がします。

各国で陽性者同士をどれほど隔離しているかは知りませんが(健常者と患者は隔離するでしょうが患者同士の接触管理は?)。

某ノーベル学者の言ってる「ファクターX」はPCR検査が少なかったことなのかもしれません。

ウイルスの死骸の遺伝子を検出している?(2020/07/17 08:54:37 UTC追記)

自分の主張と似た記事を読んでいたら、また疑問が浮かんだので、そこからさらに考えてみました。

当記事に

PCR検査はコロナウイルスの遺伝子を探すものなので、体内に入って自然免疫で叩かれてしまい他の人にうつす危険性のないウイルスの死骸でも、陽性になってしまう。

という記述があります。

ウイルスと細菌の違いを知っている人からすれば「ウイルスの死骸」という表現はとても引っかかるものがあります。

ウイルスは厳密には生物ではないので生死の概念はないはずです。

ウイルスの死骸と呼ばれる物体はPCRで引っかかるレベルの遺伝子配列が残っているのでしょうか?

ウイルスそのものではなく、ウイルスに感染した細胞が破壊されて、その細胞の死骸をウイルスの死骸と言っているのでしょうか?

細胞であれば死という概念が適用されます。

では破壊された細胞にPCRで引っかかるレベルの遺伝子配列が残っているのでしょうか?

残念ながらちょっと調べただけだと分かりませんでした。

ただ、抗体の働きを知ることで一つの仮説を導き出すことができました。

抗体がウイルスに対して及ぼす作用として「中和作用」と「オプソニン化」の2つがあるそうです。

中和作用は抗体が病原体と結合することによるウイルスの毒性の無効化する作用。

オプソニン化は抗体が病原体と結合することによりマクロファージなどの貪食細胞の働きを促し、ウイルスを貪食させる作用です。

多分ですが、中和作用を受けたウイルスが死骸と呼ばれて、貪食されたウイルスは破壊された、と表現しているのではないでしょうか。

ということは、中和作用でウイルスの悪さを抑え込めている場合、抗体と結合している状態なだけでウイルスの遺伝子はまだ残っている状態ですから、無症状や軽症でも陽性になり、こちらのパターンも人にうつす危険性のないウイルスを検出してしまっていることになります。

自然免疫と交差免疫(2020/07/20 03:41:25 UTC追記)

上記の元記事をよく読むと、そもそも抗体を生成するまでもなく自然免疫でウイルスを撃退できているから抗体検査は引っかかりにくい、という話がありました。

上記の抗体の話は、獲得免疫が働きだしてからのお話なので、自然免疫で大部分が対処できていると仮定すると中和作用によるPCR陽性検出率は低そうです。

ただし抗体生成前のウイルス排除機能として、自然免疫ともう一つ交差免疫というのがあるそうです。

自然免疫はマクロファージなどが抗体と結合していない病原体を貪食する働きで、交差免疫(交差反応)は抗体が抗体産生反応を引き起こした抗原以外の抗原に結合することです。

貪食細胞の働きによる自然免疫だとウイルスの遺伝子は多分破壊されるでしょうが、交差反応による中和作用で症状を抑え込めている場合は遺伝子が残ったままでPCRで検出される可能性がある気がします。

ウイルスが変異したらPCRに引っかからないのでは?(2020/08/02 17:10:13 UTC追記)

ここ最近、ウイルスの変異についていろいろな憶測が飛び交っています。

武漢型やら欧州型やら、埼玉・東京型といったように。

SARS-CoV-2ウイルスはRNAウイルスのため、DNAよりは変異が起こりやすいのは事実です。

変異を起こしたということは遺伝子配列が変わったということですから、同じマッチングサンプルをずっと使い続けているとすれば、それに合わない変異種も出てきそうな気がします。

そこで、PCRの検査方法をもう少し詳しく調べてみました。

まず上記で部分マッチングだという解説をしましたが、実際は少し違っていたようです。

プライマーと呼ばれる増殖させたい遺伝子配列の起点部分と終点部分を指定してマッチングを行っているようです。

対象のウイルスから”new_corona”という部分だけを増殖させたい場合、”ne”を起点、”na”を終点のプライマーに指定することにより、プライマーに囲まれた”new_corona”の部分を増殖させます。

マッチングさせるのは”ne”と”na”の部分だけです。

その部分さえ適合すれば陽性判定となります。

ちなみにGeneBankに登録されているSARS-CoV-2の全ゲノム配列の長さは29881bpです。

そしてPCRのプライマーの長さは始点と終点でそれぞれ17~30bpです。

マッチング対象は全体の1/500~1/1000だけしかありません。

しかしプライマーの設計には、遺伝子としての特異性が高い部分を算出する方法もあるようなので、ほぼほぼ狙った遺伝子を特定できるようです。(しかし陽性だけでは同定したとはいえない)

ということで、プライマー部分の変異がない限りはPCRの結果に影響は出ないような気がします。

ただ、想像していたよりも少ない範囲内での判定を行っていたんだな、という感想です。

仮に陽性だとしても全遺伝子配列の99%以上の部分は観測していないのですから…

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