< 問題を解くより作るヤツのほうが偉い | Randomfulness >
文章量:約2000字

Pumpedfulness

ときに実際の効能や科学的根拠、ロジックや合理よりも重要なものがあります。

それはテンションです。

いわゆる「アゲ」ってやつです。

他に多少のデメリットがあったとしても自分のテンションを上げることには価値があります。

それはなぜかというと、テンションの高さは行動力をブーストしてくれるからです。

じつは我々の日頃の行動は合理的というよりかはわりとテンション駆動なところがあります。

理屈では理解していても、いざ実践するとなると途端に億劫になりがちです。

例えば、運動が体に良い事は誰でも知っていますが、いざ運動しようと思ってもなかなか行動には移せませんし、習慣化となるとさらにハードルが高くなります。

なにかしらの実践や行動には前提知識が必要な場合が多いですが、知識があるからといって必ずしも行動に結びつくとは限りません。

むしろ知識は行動を抑圧します

実際の行動に必要なのは「やるぞ!」というテンション、勢いなどの、体の内から湧き出てくる気力のほうです。

ところで、プロ野球の中継を観ていると、わりと多くの選手がキラキラしたネックレスを身に着けているのが分かります。

外人助っ人選手がゴツめのゴールドチェーンを揺らしながら一塁に爆走するのを観ながら「あれどっちかといえば絶対邪魔やろ」と思っていました。

最近では陸上選手もゴールドのネックレスを着けているのをよく見かけます。

野球ならまだしも陸上競技では自身の身体を1グラムでも軽くしたほうが良いように思えますし、首元がチャラチャラしていたら走りの邪魔にしかならないようにも思えます。

しかし、近年、各種スポーツ選手がネックレスを着用している割合は増えてきている気がします。(もちろんサッカーとかルール上禁止されている競技もあります)

そこで、スポーツ選手がネックレスを着ける理由を軽く調べてみたところ、特にパフォーマンスが上がるなどの科学的な理由はなく、ファッション的なものだったり自分へのご褒美や自信をつけるために着けているようでした。

要は、気分を「アゲる」だけのためにネックレスを着けているのです。

プロスポーツ選手はその分野ではピラミッドの頂点に君臨する人たちです。

そのトップの中のトップの人たちが理屈を差し置いて自分の気分を優先しているのです。

理屈や一般人の評判からすれば、ネックレスは着けないほうが合理的です。

それでも、それなりの数の人が着用している現実からすれば、科学的な根拠や他人の評価よりも、自分のテンションをアゲるほうがパフォーマンスに好影響を及ぼしているのでしょう。

厳しいプロの世界で生きている人たちが実践していることなのですから、ひとえに「科学的根拠がないから無意味」と切り捨てるのはナンセンスです。

逆に考えれば、超一流のトップ層になると自分の気力を保つことにも神経を使っているのです。

そういったわけで、自分もランニング習慣において気分を上げるためにネックレスを着けています。(まぁなくても全然走り続けていると思いますが)

そしてもう一つ、より一般的なアゲアイテムとして腕時計があります。

自分も少し前までは携帯を覗けば正確な時間が分かるんだから、腕時計を着ける必要性なんてないと思って、一切腕時計を着けることなく社会人をやってきました。

しかし、数年前に上記までで書いてきた気づきを得たので、日常生活でもテンションを上げたいとの思いで、一念発起して機械式の高級腕時計を買いました。

そして実際に身に着けてみて、その価値を感じることができました。

機械式時計はいわば身に着けることができる男のロマンなのです。

一般的に、男は機械的なものにとても魅力を感じます。

ガンダムだったり鉄道だったり車だったり、男の人は何かしらの機械的なサムシングに興味を惹かれます。

ちなみにプログラミングも機械好きの延長にあると思っているので、プログラマーに向いているのも男性だと思っていますし、実際にプログラマーのほとんどは男性です。

腕時計に話を戻します。

機械式腕時計は電池ではなく、ゼンマイとカラクリだけで動いています。(電池で動いている腕時計はクオーツといいます)

小さな本体の中には歯車などの様々なパーツが複雑に組み上げられ、それらが一体となって時を刻んでいます。

自分の腕の上で、それだけ複雑な仕掛けが休むことなく動き続けている事実を感じること、またそれを自身が身にまとっていると思うと気分が上がってきます。

ひとえに腕時計といってもたくさんの高級ブランドが存在し、到底普通のサラリーマンには手が出せないような値段の商品がゴロゴロあります。

裏を返せば、お金持ちの人たちは自分のテンションを上げるためならばそれほどの値段をも惜しまないのです。

過去に知識と意思決定プログラマーにアルゴリズム脳はいらないプログラミングはスキルじゃなくて習慣で書いた通り、自分は知識よりも実践や行動に価値があると考えています。

その実践や行動に恒常バフがかかると考えれば、気分を上げることがいかに大事かが分かると思います。

ダイエットに対する情報をいくら仕入れたとしても、行動に移せなければデブのままなのですから。

Tag: 哲学